兵庫県神崎郡市川町、小谷(こだに)。
名前のとおりの、小さな谷あいの村。
御堂と碑が、村の歩みを語ります。
小谷——こだに。名前がそのまま、村のかたちです。古代の神崎郡が市川を境に東西へ分かれたとき、このあたりは西側の神西郡になりました。
村の中心に、浄土真宗本願寺派の教正寺があります。播磨の村々に深く根を張った真宗の、村の御堂です。開基や由緒のくわしい記録は見つかっていませんが、この御堂が小谷の寄る辺であり続けてきました。
明治22年(1889年)、小谷は甘地ほか6か村とともに甘地村となり、昭和30年(1955年)の合併で市川町の大字になりました。いまの小谷には、田んぼの真ん中の小さな公園に子どもらの声、銘板を彫る工房と鍼灸院——谷あいの里の暮らしが、静かに続いています。